田島征三さんのこと
2005年 08月 15日
海の見える市立南図書館に行った。武田百合子の全作品集(全7巻)があると検索したからだ。
書棚を探していると、百合子さんの隣に田島征三さんの本が二冊もあった。
「絵の中のぼくの村」と「人生のお汁」。7冊しか借りられないから、百合子さんは5冊にして、田島さんを借りた。
急いで帰って、あっという間に読んだ。「人生のお汁」によると、田島さんは30年も暮らした日の出村を離れて、1998年に伊豆高原に移住したらしい。去年の秋、私も伊豆高原に住もうとして、物件探しをしたが、その時、田島さんの家が近くにあることを知っていた。買おうと思っていた物件から歩いて5分くらい。でもアトリエだと思っていた。あのまま、そこに決めていたら、ご近所さんだったな。私の好きな谷川晃一さん、宮迫千鶴さんご夫妻の家も歩いて10分くらいのところにある。けれど、いかんせん、伊豆高原は生活物価が高すぎてあきらめたのである。
田島さんには恩義を感じている。
昔「うむまあ」という同人誌を出していた頃、その表紙を3号から13号まで無料で描いて貰っていたからだ。無料でなんて、今から思うととんでもないことをしていた。
写真はそのなかの一部。いつか全部をupしたい。
「人生のお汁」によると、田島さんは70年後半から80年代に入る5年間、今までの画風を、自分自身をたたき壊すために、もがき苦しんで、あまりの苦しさにその頃の記憶が欠落しているほどらしい。そして、ある日、突然、そのトンネルから抜け出す。
抜け出して、全く新しい画風の絵本「ほら、いしころがおっこちたよ。ね、わすれようよ」を出版。
この本は我が家でも出た当時すぐ買った。8歳と4歳の娘たちはそのころはよくわからなかったみたい。でも歳を追うごとに二人の愛読書となり、今でも見ている。なにか嫌なことがあると「ほら、いしころがおっこちたよ」という。私も大好きな一冊である。この文章の続きは明日書こう。
長くなるからね。
by Satoe-Umeda
| 2005-08-15 12:18