海と島と人間と・・・・旅が好き!


by Satoe-Umeda
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11回目

「10人の男と寝ようが20人の男と寝ようが、自分が不潔だと思わなければ不潔でもなんでもない」
この言葉は女としてとても勇気づけられました。
男も女も好きになれば寝たくなるのが当然で、寝ないでいい関係を持つこともあれば、寝たことによって、わからなかったことが見えてくることもあります。
そういうことは男でも女でも同じことだと。
女だから不潔というのは片手おちであるといっているわけです。

「堕っこちることは向上なんだ」
これも金子さんの言葉ですが、金子さんには上昇志向のかわりに下降志向があった。普通の人間の反対なんです。金子さんは貰われっ子で、養父が亡くなった後に今でいう2億にちかい遺産が残ったのですが、実の親からの無心や金山に手を出したり、ベルギーで2年間暮らしたりして、約3年間でカラにしてしまう。その後、森さんと結婚してあばら家に近い家に暮らすわけです。そこの家賃さえはらえなくなって夜逃げを繰り返す。
借金取りに追われるような貧乏暮らしになる。
貧乏になると、関わりを恐れて離れていく人は離れていく。
金子さんはそのときのことを「犠牲の多い方法で人間を学んだ」
と、自伝の中で書いていますが、凄味のある言葉です。
お金持ちにはみんな一目おきますが貧乏人にはおきませんから。
中身は同じでも着ている洋服などで態度を変える人もいます。
そうして殆ど、無一文で森さんとともに海外へ5年もの無銭旅行をする。
オカマいがいがなんでもやったというくらい食い詰めて、飢え死にするしかないところまで追い詰められて、自殺まで考える。そこまで堕ちて金子さんは世間の最下層で生きる人達のことが、わがことのようにわかるようになる。
それはやはり「向上」だと思います。人生が深くなるわけですから。
先程、安南の国に伝わる伝説の詩を、この講演が始まる前に聴いていただきましたが、あそこで金子さんが歌っていた
「子よ、貧乏なんか恐れるな。岸伝いにゆく女の子を、水から首だけだして見送る子よ。かまわず丸裸で追いかけろ。それが君の革命なんだよ」
金子さんにとっても、この間の経験はやはり革命だったと思います。
詩の世界でいえば、デビュー作、華麗豪華な「黄金虫」の世界から、旅から帰って書いたあの人生の底を見てしまったような、透明な寂寥感のある「洗面器」と言う詩への、大転換、大変化が「革命」であったといっていいのでしょう。
金子さんは、結局、権威とか世間体とか、道徳とか、人間の外側を包む飾りをかなぐり捨てすっ裸の人間として生きたかった。すっ裸で勝負したかったのだと思います。
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by satoe-umeda | 2008-01-12 15:09