海と島と人間と・・・・旅が好き!


by Satoe-Umeda
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笑わぬ喜劇王バスターキートンと辻潤

近くの図書館でキートンのビデオをみつけた。
1931年作、トーキー3作目の「キートンの恋愛指南書」である。
萩原朔太郎の娘、萩原葉子の書いた本のなかで「朔太郎はキートンの顔に似ていると祖母が言っていた」というくだりがあって、いつか、確かめてみたいと思っていた。
ニコリともしないキートン。
でもそれがおかしくて笑える。
チャップリンより好きかもしれない。
容貌は確かに朔太郎に似ていた。
頼りなげなところも。
ただ、身長が朔太郎の方がずつと長身である。

同じ日に松尾季子著「辻潤の思い出」(虚無思想研究編集委員会発行)も借りる。
図書館のいいところは、思いがけない本に巡りあえることである。
辻潤は「ですぺら」を読んでいる。
だが松尾という女性が彼の晩年を一緒に暮らしていたということは、この本で始めて知った。
辻潤との思い出を冷静に淡々と書かれたいい本である。
辻潤は彼女のことを「天女」とも「菩薩」とも言っていたようだが、まことにその通りだと私も思った。
金子光晴から最晩年の辻潤のことはいろいろ聞いていた。
金子さんの心残りは「辻に約束のうなぎをご馳走できなかつたこと」
そして、金子さんの驚いたことは「辻はカミソリ一枚で刺身がうまくつくれること」だった。
解説を高木護が書いている。
高木さんの家にも詩人の岩本勇に連れられて遊びにいったことがある。
反骨の人である。
表紙の絵は息子「辻まこと」の手による。
私はむしろ親の辻潤や伊藤野枝より辻まことの生き方の方が近しい。
絵描きでありエッセィストでありギタリストだった。
でもそおいう肩書きが一番似合わない人だ。
彼の描いた「虫類図譜」は私の宝である。
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by Satoe-Umeda | 2005-10-17 12:44