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海と島と人間と・・・・旅が好き!


by Satoe-Umeda
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2005年 10月 09日 ( 1 )

嫌だなぁ!

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最近、深沢七郎を読み継いでいる。
朝から一日中。
深沢七郎は若い頃にハマッテ、彼の本は全部、持っていたし読んでいた。
でも、すっかりご無沙汰してしまっていた。
いつの間にやら、無くなった本も数冊ある。
深沢本人の手作り本ーお経本の形をしているーは、3年程前に、なにを血迷ったのか神田の古本屋に5000円くらいで売り飛ばしていた。
別にお金に困っていたわけじゃないのに。

ところが、先日ふと、というか、ナニカに促されるようにして「深沢七郎選集」を手に取った。
「笛吹川」を読み始めたら止まらなくなった。
で、次から次と・・・。

嫌だなぁ!
私は今、鬱の始まりかけなのに・・・。
深沢七郎を読むと、もっともっと鬱がひどくなっていく気がする。
アレアレアレと、ひ弱な私が綺麗な毒に犯されていく感じ。
それが快感なので困る。
久しぶりにいい本を読んでる感じ。

写真の「別冊新評・深沢七郎の世界」は昭和49年発行。深沢60歳の時の顔だ。
文学者らしくなくていい顔である。
その時、私は29歳。おじいさんだなあと思っていた。
今見ると、私と同年ではないか!

その60歳の時の彼を「別冊新評」の年譜では次のように記している。

「ジャーナリズムの表面にまったく出なくなり、音信不通。
朝日新聞4月1日号の「近況」欄に「仙人に近い生活」と題されて報告されているのが今年(昭和49年)唯一の情報である。『家の周りの出入り口はもちろん窓にまでシャッターを取り付けた。日中でもこれをおろし、面会、取材、インタビューなどのいっさいをシャットアウトして中にたてこもり、一人でコーヒーをいれたりしている』とある。

今、読むと、胸が締め付けられるような暮らしである。
なにかが彼をそこまで追い詰めたのだ。
深沢七郎って、ナイーブすぎるくらいナイーブで、とてもマットウな人だったと思う。

そして彼は昭和62年、全く突然、心不全のため、自分で作った埼玉県の「ラブミー農場」で亡くなった。
73歳だった。
by Satoe-Umeda | 2005-10-09 21:19